SIビジネスって厳しいよなと感じたこと

投稿者: | 2018年10月18日

私は大手SI企業で約8年間務めた後に自社サービスをやっているWebベンチャーに転職しました。転職の際には大手SIの同僚たちにはとても驚かれましたが、私としては、迷いはなかったです。転職を考えた理由の1つが、SIビジネスって厳しくないか? という漠然とした考えでした。今回は現場の最前線にいた私が、SIビジネスが厳しいと感じた点をまとめてみたいと思います。

価格競争・低価格化が起きている

超巨大システムともなれば手を挙げる会社さんも少ないでしょうから、そこまで競争にならないかもしれませんが、通常のSI関連の案件は価格競争が厳しくなってきています。基本的にコンペですし、大体どこのSI会社でもやれることは変わらないのでコンペだと価格の勝負になりがちです。
また、SIでよくあるパターンとして、特定の会社のシステム部門のような感じで、特定の会社のシステムを長年作り続けることがあります。運用しながら追加開発を繰り返していくイメージです。お客さんからすると少しでも安く追加開発をしたいですし、システム運用に至ってはコスト部門でしかないため、なんとかして値下げしようと交渉をしてきます。追加開発のたびにコスト削減や生産性向上を求めてきます。
SIはシステムを作って収めるビジネスですので、費用のほとんどは人件費です。材料代などはかかりません。そのため、コスト削減は人員の削減に直結します。 システムの単価が下がっているイメージですので、やる量は変わらないのに少ない人員で取り組まないといけません。かなり厳しくなってきています。

開発内容(お客さんの要望)が複雑化している

SIビジネス(システム開発)でお客さん企業が求めるものも変化してきていると感じます。
【初期】会社でやってる業務のシステムへの置き換え
【中期】業務システムの改善・効率化
★【最近】新技術を駆使したサービスの拡大
こんな感じで変化してきてるんじゃないかなぁと感じてました。私が入社したときは【中期】くらいの案件からスタートだったのですが、辞める前は新技術を駆使した新サービスの開発案件みたいなのをやりました。【初期】や【中期】レベルの話であれば既存の業務を如何にシステム化するかというお話になります。既存の業務であればお客さん企業に業務フローなどのドキュメントが用意されていたり、詳しいお客さんがいたりと、なにを作ればいいかSI企業側でもなんとかして理解することができます。しかし、【最近】レベルの話となりますと、そもそもお客さん自体も何がしたいか決めれていない状態にありますので、SI企業側でなにを作ればいいかよく分からない状態に陥ります。
また最新の技術について抑えている社員なんてSI企業側にはそういないわけで、基本手探りになります。その結果、新技術×新領域という構図になる可能性があります。新技術×新領域で挑むシステム開発は基本的に炎上します。気を付けてください。

クラウドサービスに幻想を抱いている

クラウドサービスやアジャイル開発といったスピード感を持ったシステムの立ち上げができそうなワードがお客さん側にも落ちてきています。その結果、お客さんは、それらの言葉に夢をみて、自分たちもスピード感を持ってシステムの立ち上げができると誤解しがちです。
確かにクラウドサービスに作りたいものがマッチすればインフラ設計などは大幅に短縮できる可能性はあります。しかし、クラウドとマッチしない部分が仮にあったとするならば、その部分をクラウドで実現するためにはクラウドを使わずに開発するよりもはるかに大きな工数がかかることだってあります。クラウドは決められたものであれば、作るのは容易ですが、クラウドのテンプレにはまらないモノをクラウドで実現しようとすると非常に困難です。
このクラウドはSIをやる上でけっこうやっかいです。SaaSの王様Salesforceを使った案件を過去にやりましたが、Salesforceで出来ることがお客さんが全く理解していないのです。なぜ、その状態でSalesforceを使うという選択に至ったのか謎でしたが、Salesforceを使うことは決まっていて、そこに自分たちのやりたいアプリケーションを載せていくというプロジェクトでした。Salesforceの設定でカバーできる範囲はもちろんいいのですが、設定でなんともならない部分の開発コストは相当かかりましたね。。 結局予算も超過しましたし、リリース日も守ることができませんでした…

AIにはもっと夢を見ている

都合よくAIについて考えているお客さんは多いと思います。AIの導入にはAIの特性を抑えた利用範囲の策定と、AIモデルの学習が非常に重要ですが、とくに学習の部分を軽視しがちに思います。学習のためには正解データと言われる、入力値と正誤のセットを数万件用意する必要がありますが、なんとかしといて的な扱いを受けます。なんらか用意することはできますが、それで動かしたところでお客さんが夢見ていた機能を実現することはまずありません。

お客さんのシステムへの理解の底上げが本来必要だが…やる時間も金もない

基本的にSI企業となると、相対するのはお客様会社のシステム部門になるかと思います。このシステム部門は当たりはずれが本当に大きいです。ひどい担当者さんだとITに関する知識もなければシステム化しようとしているものに関する理解も乏しく、単なる中継さんみたいなスタンスの人もいたりします。どんな担当者さんも総じてシステムへの理解はやはり不足していると感じます。
「自社で分かんないから、SI企業にお金出して作ってもらうんじゃん」って考えている会社さんも多いと思うのですが、この考えは間違っていると思います。システム開発プロジェクトはお客さんとSI企業の協同で行うプロジェクトと位置付けるべきです。お客さんも今回採用するアーキテクチャの特性をおさえ、重視すべき要件とあきらめる要件をキチンと判断できないと、いくらお金があっても完成させることはできないでしょう。
ただお客さんにSI企業並みのシステムへの理解を求めるのも間違いだとは思います。やはりSI企業からの情報提示やちゃんとした説明をやってくべきでしょう。しかし問題なのが、そもそも低予算でスタートしているのでSI企業側にそこまで説明に時間をとる余裕がありません。またお客さん会社からしても、普段の業務もありますので、勉強に時間を割くのも難しかったりします。プロジェクト序盤でちゃんと今回採用するアーキテクチャについて時間をかけて理解をふかめることができれば、その後の衝突も多少は防げるのになぁと残念に思います。

まとめ

SIが厳しいと感じたポイントですがまとめると以下です。

  • 求められるものはとにかく複雑になってる
  • それでいて単価は下がっている

とても大変なお仕事だと思います。SI企業に就職される方はぜひ覚悟をもって臨んでください。

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